3分でわかる世界経済の基礎知識

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「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺を聞いたことありますよね。昔、風が吹くと砂埃で目を病んでしまい、三味線で生計を立てようとする人が増えたそうです。すると三味線の胴に張る猫の皮が必要となるために猫が減少してしまい、その結果として桶をかじる鼠が増えて桶屋が儲かったといいます。
このように一見すると全く関係のない物事に影響が及ぶことの喩えとして、この諺が使われています。実は世界経済にも同じようなことがいえるんです。金融商品の購入や投資をしていくうえで必要となる世界経済の基礎知識を簡単におさらいしてみましょう。

景気がよい場合、経済はどのように動く?

たとえば景気がよい場合にどのようなことが起こるか考えてみましょう。景気がよければ残業が増えたり昇給したりして給料やボーナスをたくさんもらえます。生活にゆとりが生まれます。そうするとマイホームを買ったり、自動車や家電製品を買い替えたりしたくなります。新しい服を着てお洒落をしてみたり、海外旅行などのレジャーもいいですよね。
企業にしても景気がよければ売上や利益が上がって、より業績を拡大するために銀行などからお金を借りて、店舗や工場を増やしたり、新たに従業員を採用したり、新商品を開発したりします。
このように景気がよいと消費者も企業もお金を使いたいと考えますので、お金の需要が増します。つまり、お金を借りてでも使いたいという消費者や企業がたくさんいる状況ですから、お金の貸し出し金利を上げても借りてくれる人がいるわけです。そのため景気がよいと金利は上がりやすくなります。

金利が上がると景気はどうなる?

金利が上がるとお金を借りたときに支払う利息が増えてしまうわけですが、その反面お金を貸したときの受け取る利息も増えます。すると今度はお金を使わずに預けたり貸したりして、たくさん利息をもらおうと考える人が出てきます。たとえば、アメリカの金利が上がった場合は金利の低い日本円を売って、金利の高い米ドルを買おうと考えます。この米ドルでアメリカの国債を買う、言い換えるとアメリカにお金を貸して利息をたくさんもらおうというわけですが、この場合における為替の値動きは円安ドル高に動きます。つまり、金利の高い通貨は為替レートも高くなりやすいといえます。
為替レートが高くなる、つまり通貨の価値が上がると輸出関連企業を中心に株価が下がります。たとえば昨日10万円で売っていたアメリカ製のパソコンを買おうと思ったら、今日12万円になっていたなんてことが円安ドル高になるとあり得るわけです。急に2万円も高くなったら買うのをやめてしまうかも知れませんし、別のパソコンを探すかも知れません。このように通貨の価値が上がると輸出関連企業の業績が上がりづらくなるため株価は下がり、さらに輸出関連企業と取引のある部品メーカーなどの業績と株価も下がり、さらにその取引先も・・・といったように業績と株価の下落が波及して景気の頭打ちを迎えます。

景気がわるい場合はどうなる?

景気がわるい場合は、景気がよい場合とは逆のことが起こりやすくなります。消費者も企業もお金を使わなくなって消費が停滞するために金利が下がります。金利が下がると海外から流入していた投資マネーなどの資金も引き上げていきますので為替レートも下がります。すると、輸出関連企業を中心に業績と株価が上がりはじめて景気が回復していきます。世界経済はこのようにして景気がよくなったり、わるくなったりを繰り返しています。
しかし、これらは世界経済の基本的な動きの一部に過ぎません。実際は世界中の中央銀行や政府が意図的に金利等を操作してインフレ(物価高騰)やデフレ(物価下落)を抑制することもあります。世界中の機関投資家の思惑によって世界経済が予想外の動きをすることもあります。ですので、世界経済の動きに絶対的なパターンというのはありませんが、基本的な動きの傾向をつかむだけでも金融商品の購入や投資を考えていくうえで参考になるでしょう。
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