教育ローンの上手な使い方

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日本政策金融公庫が発表した『教育費負担の実態調査結果(2016年度)』によると高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用は自宅から通学の場合で975万円となっています。子供の教育費の他に住宅ローンや親の介護などを抱える世帯にとって奨学金や教育ローンは心強い味方です。奨学金については前回の『社会問題にもなっている奨学金』にまとめましたので今回は教育ローンについてまとめてみたいと思います。

そもそも奨学金と教育ローンの違いとは

奨学金と教育ローンの大きな違いは借主と融資のタイミングです。奨学金は借主が学生本人であり融資のタイミングは入学後となります。奨学金を申し込むことができる時期は年に1回または2回に限られますので借りたい時にいつでも借りられるわけではありません。一方、教育ローンは借主が学生の保護者であり数日から1ヶ月程度で融資が実行されます。教育ローンの申し込みはいつでも可能で借りたい時にいつでも借りられる利便性があります。なお教育ローンの融資対象は受験料や受験時の交通費などの受験費用、入学金や授業料などの学校納付金、アパートやマンションの敷金や家賃などの住宅関連費用、教材費やパソコン購入費、通学費用や学生自身の国民年金保険料など多岐にわたります。

最も利用されている国の教育ローン

教育ローンは銀行や信販会社などさまざまな金融機関で取り扱っていますが最も利用されているのは日本政策金融公庫の教育一般貸付です。公的な政府系金融機関である日本政策金融公庫の教育一般貸付は国の教育ローンともいわれ35年以上の実績があります。これまでの融資件数は延べ540万件を超え2016年度の新規融資実績だけでも約12万件にのぼります。一方、民間には銀行系や信販系の教育ローンがありますが日本政策金融公庫の教育一般貸付とくらべるといずれも利息が高いといえます。さらに銀行系と信販系の教育ローンを比較すると信販系の方が審査が甘い代わりに利息が高い傾向があります。

国の教育ローンともいわれる教育一般貸付とは

国の教育ローンともいわれている日本政策金融公庫の教育一般貸付ですが、これは日本学生支援機構の奨学金と併用が可能で学生ひとりにつき350万円まで融資を受けることができます。海外留学の場合には450万円まで融資を受けられる場合もあり審査の開始から20日程度でお金を借りることができます。返済は15年以内、固定金利で年1.76%(2018年1月現在)の利息がつきますが、所得の低い世帯や母子家庭・父子家庭、交通事故遺児家庭は返済期間と利息が優遇されます。なお教育一般貸付で融資を受けるためには連帯保証人または教育資金融資保証基金による保証が必要となります。また子供の人数に応じた世帯年収の上限額が決められており、この上限額を超えている世帯は教育一般貸付による融資を受けられないことになっています。

奨学金と教育ローンを上手に使い分け

奨学金は子供の借金だからなるべく使わないようにしたいというのが親心かも知れません。しかし保護者の名義で融資を受ける教育ローンよりも学生本人の名義で融資を受ける奨学金の方が金利が低く、しかも在学中は利息が発生しません。なるべく奨学金で融資を受けて親子で協力しながら短期間で返済するのが利息の支払いを抑えるうえで有利といえます。ただし奨学金の融資を受けることができるのは入学後です。そのため入学前に必要となる受験費用や入学金、初年度の授業料などに奨学金を充てることはできません。それら入学前に発生する費用を借りる必要がある場合や奨学金だけでは教育資金が不足する場合に教育ローンの利用を検討しましょう。なお日本政策金融公庫の教育一般貸付は合格発表時期に申し込みが集中して融資までに時間がかかります。いつでもキャンセルができますので早めの申し込みが安心です。
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